とてつもない手間を必要としていた
当時、クルマ向けのワンウエイクラッチベアリングで、16本のニードルをリテーナーに押し付ける為に32個のばねを組み付ける必要があった。しかし、アッセンブリーには多大な工数がかかる。顧客はその作業工数の削減を模索していた。
部品点数の半減と、それによる作業工数の削減
作業としては、同じ形状のコイルスプリングを1ニードルあたり2個組み付けることになるので、この押しばねが最初から繋がった1部品であれば、1回の動作で組み付けを完了出来る。これを繋げる事はできないだろうか。
「2本のばねを1組に」顧客ニーズを具現化し作業工数の半減を実現
説明を聞いたマシンセッターは、従来のコイリングマシンでは全く加工ができないため、NCマルチフォーミングマシンに変更する事を決定した。しかし、加工機の構造上、一連のプログラムでは加工ができないが、途中にサブプログラムを用意する等の工夫により、2本のばねを1組にする事を可能にした。その結果、組み付け工数32工程が16工程へと半減、顧客の発注管理も簡素化することに成功した。開発後10年を経た現在も専用ラインが1ヶ月24時間フル操業するほどの定番商品となった。
営業担当の声
ちょっとした発想の転換が、お客さまの大きなビジネスメリットを生むことを教えられた案件です。