加工における工夫により、アッセンブリー工数を半減

背景

とてつもない手間を必要としていた

当時、クルマ向けのワンウエイクラッチベアリングで、16本のニードルをリテーナーに押し付ける為に32個のばねを組み付ける必要があった。しかし、アッセンブリーには多大な工数がかかる。顧客はその作業工数の削減を模索していた。

顧客リクエスト

部品点数の半減と、それによる作業工数の削減

作業としては、同じ形状のコイルスプリングを1ニードルあたり2個組み付けることになるので、この押しばねが最初から繋がった1部品であれば、1回の動作で組み付けを完了出来る。これを繋げる事はできないだろうか。

ソリューションと提案

「2本のばねを1組に」顧客ニーズを具現化し作業工数の半減を実現

説明を聞いたマシンセッターは、従来のコイリングマシンでは全く加工ができないため、NCマルチフォーミングマシンに変更する事を決定した。しかし、加工機の構造上、一連のプログラムでは加工ができないが、途中にサブプログラムを用意する等の工夫により、2本のばねを1組にする事を可能にした。その結果、組み付け工数32工程が16工程へと半減、顧客の発注管理も簡素化することに成功した。開発後10年を経た現在も専用ラインが1ヶ月24時間フル操業するほどの定番商品となった。

営業担当の声

ちょっとした発想の転換が、お客さまの大きなビジネスメリットを生むことを教えられた案件です。

近所のばね屋さんでは上手くいかない・・・

背景

トーションばねの耐久計算ができない

顧客自らばね設計を行い、普段から取引のある近隣のばね工場に発注し開発を進めていたが、耐久性に問題が生じていた。耐久解析力に限界を感じた顧客は、アドバネクスのWEBばね計算を使用してみたが、思う通りの成果を得ることができずカスタマーサポートセンターへ問い合わせをしてきた。

顧客リクエスト

新製品のジョイスティック用、へたらないトーションばね開発

納得できる耐久性を実現した、トーションばねの設計・開発をしてほしい。

ソリューションと提案

スピーディーな対応力で信頼関係を強化

本製品は、難易度の高い案件であったことから技術者同士直接打合せをしたほうがよいと判断。郡山試作センターの技術者と直接電話による打合せをし、計算上へたらないばねを設計、図面化した。その後、郡山試作センターでNCマルチフォーミングマシンを使用して試作を行った。巻き数を増やすことでへたりを軽減し、微細な角度調整でトルクを調整。計5種類の試作品を製作し、顧客の要望するトルク・耐久性を実現。打ち合わせは、すべてメールと電話で行ったが、顧客はアドバネクスの迅速な対応力を高く評価、当該トーションばね開発中に別途、押しばねを追加発注。

営業担当の声

電話とメールだけの打ち合わせでも、小まめに対応することでお客さまの信頼を得ることができました。

設計提案・試作は日本で、量産・納品はタイで

背景

タイでの生産を推進する上で、部品の調達も出来る限り現地化したい

当時、顧客は生産の拠点をタイへと移行しつつあり、よりいっそうのコストダウンを図るためには、使用する部品もなるべく現地で調達する体制の構築が急務であった。顧客のタイ工場からわずか500メートルの所にアドバネクスのタイ工場があったことから、顧客側からタイ工場で当該部品の量産化が可能かどうかの打診があり、同様にタイに工場を持つ競合他社とともに見積りの提示を求められた。

顧客リクエスト

高い技術力と価格対応力、そして開発スピード

デジタル一眼レフカメラ向けの部品ということで、前提として高い技術力を有すること。仕様の取り決めおよび価格は国内で決定し、量産のみタイで行うという体制実現のためには日本にきちんとした試作体制があり、その技術をタイと共有できる連携力が必須要件であった。また顧客特性として、開発に要するスピードが重要視され、設計変更に対しての迅速な対応力が求められた。

ソリューションと提案

顧客も大満足のスムーズさで現地量産体制へ

顧客が作成した図面を元に、郡山試作センターと柏崎工場が連携して対応。先ずは原理確認用の試作品を製作、顧客設計部が見極め、問題点を洗い出し精度を高めていった。図面変更はのべ10回を超えたが、その都度求められた迅速な対応に対して、郡山試作センターのクイックレスポンスがアドバネクスの大きなエッジとなった。原理試作品が完成し、量産化にあたっては図面をタイの技術スタッフへ送り、柏崎工場の技術スタッフがパイプ役となって詳細な説明を行った。現地の技術スタッフは全員タイ人であるが、柏崎での研修経験もあり、柏崎工場のスタッフがメールや電話により技術的なサポートを行うことでスムーズに量産化が可能となった。その背景として、柏崎工場とタイ工場に同じマシンを設置しているからであり、ワールドワイドで対応できる技術力がアドバネクスの強みであることを実証。

営業担当の声

お客さまからいただいた「非常に助かるよね」という言葉が、営業パーソンにとっての最高の勲章です。

小さなアイデアが15年のロングセラーを生んだ

背景

組み立て工程でのハンダの飛散がコスト効率を下げていた

基盤メーカーである顧客は外資系自動車メーカーにエアコンのコネクターを納めていた。彼らの悩みは、そのコネクターの組立工程で基板上の高価なチップにハンダが飛散することで不良品が増え、コスト効率が悪化することであった。

顧客リクエスト

ハンダの飛び散りを阻止するコネクターの開発

ハンダの飛び散りから、高価なチップを簡単に守る方法を開発して欲しい。

ソリューションと提案

技術者のひらめきとそれを実現できる技術力

ハンダが基盤に飛び散るのを防ぐにはカバーを付ければいい。だがそのカバーを効率的に付ける手立ては何か。それがソリューションへの鍵であった。ハンダ付けという手作業の工程の中で邪魔をすることなく基盤を保護し、ハンダ付け終了後部品を挿入する際にはスムーズに挿入でき、しかも挿入後は損傷しないことが必須要件。そのためには、カバーが柔軟に動く適度の切れ目の深さが必要であり、計算でも設計でもなく感覚的な判断が求められた。そしてその実用化には、アドバネクスのインサート2回成形という技術が活用された。結果としてこの成功事例が「発想力・提案力」の大切さを示す伝説としてアドバネクススタッフに語り継がれている。

営業担当の声

あれから15年以上も語り継がれる案件に立ち会えたことは、今でも誇りであり、指針となっています。

世界で初めての携帯電話内蔵アンテナを開発

背景

ワイヤーのばねで携帯電話の内蔵アンテナを作りたい

日本を代表する携帯電話のアンテナメーカーであった顧客から送られて来たのは、ワイヤーばねが小さく折り畳められている1枚のポンチ絵。2001年当時といえば携帯電話のアンテナはポップアップ式であったが、アンテナを内蔵すればより小型化が可能となりデザイン性も向上するとの狙いから、長いワイヤーばねを小さく畳んで、携帯電話の筐体内部に収納して、アンテナとして機能させるという発想が生まれていた。

顧客リクエスト

受信特性に優れたスパイラル形状を活かした携帯電話内蔵タイプのアンテナを、世界に先駆けて開発する。

当該商品は医療機関では恒常的に使用しているものでもあり、回収して修理することは不可能に近い。そのため一刻も早く全国の納品先を訪れ、クレーム箇所を改善して、レンズカバーが落ちない仕組みを講じなくてはいけない。そのためには顧客の担当営業マン自らが容易に修理できることが必須条件となり、当然ながら穴を開けるなどの加工を必要としないシンプルに既存物に付加することのみでの解決策を要望。もちろんコストも最小限に抑える必要があった。

ソリューションと提案

「ワイヤーから板へ」すべては発想の転換から始まった

ばね状のものを筐体に納めるために、樹脂のケースを試作して内蔵してみると、振動で巻きピッチが乱れ安定した電波受信ができないという問題が判明した。そこでアドバネクスのインサート成形技術者が発案したのが、受信に有利なスパイラル形状を活かしたプレス方法。このワイヤーばねから板ばねへの発想の転換が成功へのきっかけとなった。ポンチ絵をもとに顧客がハンドメイドで銅箔を切り樹脂に貼り付けて受信状態を測定すると、まずまずの好結果を得た。そこでアドバネクスとの協働でインサート成形可能な板ばねを試作。最終的に内蔵アンテナ向けとしては世界で初めてインサート成形技術を活用、実用化に成功した。成功のファクターは、アンテナ素子用プレス部品と実装用プレス部品の2枚のそれらを1部品化してインサート成形し、自動ライン化された次工程のプレス加工工程で不要な部分をカットすることで元の2部品に戻すというアドバネクスの発想の転換が、生産安定性を生み出した。

営業担当の声

「世界初の製品」の開発に携われ、しかも大ヒット。街でその携帯を見たときは感無量でした。

1分で設置可能なレンズカバーホルダーの開発

背景

医療機関でハロゲンランプのレンズカバー落下事故が発生

顧客は医療機器を製作するメーカー。納入した新製品の医療機関用の照明器=ハロゲンランプの樹脂レンズカバーが、熱により留め具が緩んで落下するという事故が発生。医療機関にとっては大事な患者さんの身体を傷つけることにもなりかねず、早急な改善を求められた。

顧客リクエスト

速やかに市場クレームを沈静化したい

当該商品は医療機関では恒常的に使用しているものでもあり、回収して修理することは不可能に近い。そのため一刻も早く全国の納品先を訪れ、クレーム箇所を改善して、レンズカバーが落ちない仕組みを講じなくてはいけない。そのためには顧客の担当営業パーソン自らが容易に修理できることが必須条件となり、当然ながら穴を開けるなどの加工を必要としないシンプルに既存物に付加することのみでの解決策を要望。もちろんコストも最小限に抑える必要があった。

ソリューションと提案

顧客も納得の試作2回、わずか3週間で対策品を納品

アドバネクスの担当営業は、事態が切迫していたため当該商品を持参した顧客を伴って郡山試作センターを訪れた。技術スタッフは、長年の経験から即座にハンドメイドによる試作品を製作することを選択。その場で製作した試作品を顧客が持ち帰り検討している間に、その試作品をベースに量産を見据えてマルチフォーミング用の設計図面を書き起こし準備を進めた。顧客からはデザインと取り付け性の改善が求められたが、数日後行われた顧客との2回目の打ち合わせでは指摘箇所を改善し、量産マシンで加工した試作品を提示。ほぼ顧客の満足するデザインと取り付け性であったため、最終的な微修正を加えただけで1週間後には対策品を納品。

営業担当の声

お客さまの課題解決への早道は、いかに迅速に最適なスタッフで対応するかということを実感しました。

NCマシンのスペシャリストにお任せください

背景

モデルチェンジまで1ヵ月。困った!適正荷重がみつからない

顧客は自動車向けの樹脂部品メーカー。納期まであと1ヵ月に迫っていたグローブボックスの最適な荷重設定が出来ずに、設計者は焦燥していた。そこでアドバネクスの営業担当とともに実際のグローブボックスを持参して郡山試作センターを訪れた。

顧客リクエスト

速やかにグローブボックスの適正な荷重計算を

重すぎても開かないし、軽すぎても振動で開いてしまう。試作を何度繰り返しても丁度良いグローブボックスの荷重がみつからない。何としても、あと1ヵ月と迫った納期の中で適正荷重を計算したい。

ソリューションと提案

NCマシンのスペシャリストがその場で対応、解決

郡山試作センターにはNCマシンのスペシャリストがいる。事前に送られてきた設計図面をもとに何パターンかの試作品を準備。来訪した顧客との1回目の打ち合わせの場で、NCマルチフォーミングマシンの利点を活かして、標準値を中心に前後1ニュートン単位で荷重調整されたバリエーションサンプルを提示。その場でほぼベストと思われる荷重を提示することができた。それを顧客は、持参した実際のグローブボックスに取り付けて持ち帰り、耐久試験を実施すると見事クリアー。その後、顧客より、工場での取り付けの際に切り口で指を怪我する危険性があるとの指摘があり、新たな設計図が作られたが、加工上難しい点があったため再度図面をアドバネクスより提案し、切り口の形状を改善することなどのトライ&エラーを重ねて、顧客の要望する期間内に無事納品。その後顧客との関係強化に結びついた。

営業担当の声

営業と技術スタッフの連携力で、ネバー ギブ アップ!決して「出来ない」とは言いません。

「ばねのこと全然分からないのですが、こんなばね出来ますか?」

背景

顧客はそれまでばねを使用しての製品づくりは未経験だった

顧客は北陸地方に本拠を置く工場設備メーカー。クリーンルーム内の空調制御用パーテーションにどうしてもばねが必要となった顧客は、ホームセンターで規格品のピアノ線製のばねを購入し、加工を重ねていたが納得のゆく成果を得られなかった。そこでWEB経由でアドバネクスに問い合わせをした。

顧客リクエスト

クリーンルームで使用する製品向けにばねを作って欲しい

顧客が加工したばねはピアノ線製であったため、錆びやすくクリーンルームでの使用には適さないことが判明。同様の仕様で錆びにくいステンレス製のばねを作りたい。

ソリューションと提案

問い合わせ1時間後に電話で打ち合わせ開始、わずか25日で納品

顧客はばね設計に関して未経験であったことから、問い合わせ1時間後には電話で打ち合わせを開始。材質をピアノ線からステンレス線に変更するため、大幅なばね設計の見直しが必要であったが、その後も対面での打ち合わせをせずに、電話とメールで、必要とされる荷重、スペックなどを確認しながら設計提案を行なった。提案図面を作成後、3回の試作で製品の完成度を高めていき、問い合わせから25日後には製品を納品。

営業担当の声

ばね設計未経験のお客さまにも、迅速かつ丁寧に対応することでご満足いただける製品を提供できました。

顧客の常識を覆した設計提案

背景

自動車メーカーでは調達部品のコストダウンが急務であった

顧客は東北地方を拠点とする重電メーカー。きっかけはコストダウン。部品調達の見直しを迫られることになった顧客より見積り依頼があった。指定された製品は、自動車のラジエターモーターに使用する左右類似形状の2個使いの板ばね。それまで類似品を製作依頼していた競合ばねメーカーのコストマネージメント力に限界を感じた末の依頼であった。

顧客リクエスト

高品質とコストダウン

自動車に使用される製品ゆえの高度な品質保証。そして製品単価の低減。

ソリューションと提案

大幅なコストダウンに成功、しかも金型代は従来のおおよそ半分に圧縮

アドバネクスは、それまでの競合他社のプレスマシンによる加工に対抗して、フォーミングマシンによる加工を採用することに決定。フォーミングマシンの利点として①「材料取りの無駄を削減することで材料費を節約できること」②「パーツ交換により、1型で左右類似形状品に対応できるため金型費の圧縮が可能である」という2点から、大幅に製品単価と金型代を低減できることをプレゼンテーションし、資材部による相見積りに勝利。しかしながら顧客にとってフォーミング加工は初めてのこともあり、不安を感じていた。そこで営業担当は技術者を同行し動画や写真を見せながらフォーミングの概略を解説。営業自らもマンガ絵を描いて材料費圧縮の仕組みなどを説明し、理論家肌の顧客技術担当者の信頼を勝ち取る。その後はスムーズに試作段階へと移行、微細な寸法調整などが終了し金型が完成した工程監査のタイミングで、顧客の品質担当者が柏崎工場に来訪、アドバネクスの品質担当者と最終調整をして量産化に至った。初めて工場でフォーミングマシンを目のあたりにした顧客は、設備や管理体制に驚嘆。アドバネクスへの信頼感をより深め、その後の別製品開発も進行中。

営業担当の声

発想力と技術力が両輪となって、お客さまの要望をすべてクリアーできた時の達成感は最高でした。

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Webばね計算